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新たな「人民戦線」を樹立せよ!

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今年は大震災や原発事故で日本は苦境に立ったが、政治も経済も停滞した1年であった。民主党政権がいかにだらしないかは、ここで述べ出したら切りがないだろう。2年前の夏、素晴らしいマニフェストを掲げ総選挙に圧勝した時は、21世紀の日本の夜明けかと、民主党政権に大いに期待したものだ。たぶん、多くの国民がそう思ったかもしれない。
ところが、その後、鳩山、菅、野田と続く政権の中で、多くの国民の期待は見事に裏切られた。マニフェストで公約したことはほとんど実行されず、逆に消費税の増税やTPP交渉参加など、反国民的な施策が行なわれようとしている。2年前には思ってもみなかったことだ。
こんなに国民の期待を裏切った政権は、過去にない!
もちろん、大震災や原発事故など不測の事態が生じたとはいえ、今やどれほどの人たちが民主党政権を支持しているだろうか。「ご苦労様です」「大変ですね~」と言って、現政権に同情するだろうか。同情したい人は勝手に同情しろ!
私は同情するどころか、嫌悪と侮蔑の念を持つだけだ。ここで、民主党政権の失政や間違いをいちいち挙げるつもりはない。そんなことを仕出したら、いくらスペースがあっても書き足りないくらいだ。私が言うよりも、賢明なる読者諸氏の方が、ずっとよく分かっているはずだ。
ここで言いたいことはただ一つ、反国民的な施策を続け“右傾化”する現政権に対して、断固たる戦いの火蓋を切るべきである。そのためには、民主主義諸勢力が広範な統一戦線を組み、反動的な現政権に対抗すべきだ。
過日、TPPをめぐって事実上の統一戦線が組まれた。今度は消費税増税に対抗して、新たな戦線を構築すべきである。これを「国民共同戦線」と呼びたいが、分かりやすく言えば、歴史的に名高い「人民戦線」と言っておこう。
名称はともかく、増税などの反国民的な施策に対して、新たな人民戦線を樹立すべきである。共産党や社民党などがその中心になることは当然だが、消費税の増税に対しては、民主党支持者の中にも反対する人が大勢いる。それらの人たちを糾合して、一大人民戦線を築くべきである。
消費税の問題を細かく論じる時間はないが、
これほど反国民的な税制はない。断固として増税を粉砕すべきだ。
他にも、沖縄の普天間基地移設問題など色々あるが、政治面でも外交面でも、野田政権は完全に右傾化し、反動的な性格を露(あら)わにしてきた。こんな政権は一日も早く打倒すべきである。
そんなことを言っても、私はもちろん、以前のような自公連立政権を望んでいるのではない。そうなれば、ますます悪くなるばかりだ。そうではなく、民主党左派や共産党、社民党などが連合した新政権を望んでいるのである。
なぜか? それは経済的な苦境の中で、明らかにファシズムの足音が聞こえてきたからだ。先の大阪市長選などを見ていると、政治不信や現状への不満、そして既存政党への拒否反応から、橋下徹候補が圧勝したのである。私は橋下氏を「ファシスト」だと言っているのではない。ただし、そうした要素が垣間見えるのだ。彼の評価をここで詳しく述べるつもりはないが、経済が疲弊し、社会が閉塞感に満ちてくると、必ずファシズム的な傾向が現われてくる。これは歴史的事実である。まして、既成の政党がだらしなく頼りにならないと、その傾向はさらに強まるのだ。
こうした場合、保守的な政党はファシズムと“妥協”しようとする。今の自民党がそうだ。妥協するのは勝手だが、問題は中道や左派の政党である。これらの政党は団結し、統一戦線を組まなければ、将来必ずファシズムに敗れるだろう。
歴史を見れば明らかだ。ファシズム阻止で成功した例と失敗した例を挙げよう。フランスでは1934年、右翼・ファシストが議会を攻撃する事件が起きたが、これを契機に、有名な作家であるロマン・ロラン、アンドレ・ジッド、アンドレ・マルローらが呼びかけていた反戦反ファシズム運動が、人民戦線の樹立へと発展していった。その過程で、フランスの社会党と共産党は団結して選挙で圧勝、社会党のレオン・ブルムを首班とする人民戦線政府を成立させたのだ。
これとは逆に、ドイツではヒトラーのナチスが台頭してきた時に、共産党は社会民主党と団結せず、反対に社会民主党を非難・攻撃した。もし、共産党と社会民主党が手を組んでいれば、ナチスの政権奪取を防げたかもしれない。つまり、人民戦線を組めなかったのだ。
余談だが、この時はスターリンが指導するコミンテルンが、「社会民主主義はファシズムと同じだ」という間違った方針(社会ファシズム論)をドイツ共産党に押し付けたため、ドイツでは人民戦線が樹立できずナチスにみすみす政権を取られてしまった。
いま述べたように、ファシズムが台頭してきた時は、民主主義勢力や左翼はそれに対抗して団結し、統一戦線を組まなければならない。そうでなければ、ファシズムに敗れるだろう。近い将来、日本でも起こりえるかもしれない。(2011年12月9日)

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